ラーメン屋さん同様、「評判」も大切なのですが、まずは「先入観」を持たず、ご自分の感覚で探してみては、いかがでしょうか。
少し前まで建築屋さんを知る方法といえば、住宅展示場や住宅情報誌、テレビCMなどが、その中心でしたが、最近では、「情報量の多さ」と「手軽さ」から、インターネットでの検索が、中心になりつつあります。
インターネットの普及は、「知名度」が高い建築屋さんの他にも、今まで表舞台に立つ事が少なかった、中小建築屋さんの存在も明らかにしました。
各社のホームページを見ると、どれも「いい感じ」に仕上がっていて、お客様にとっては選択肢が広がり、良い事には違いないのですが、その情報量の多さゆえ、判断に戸惑うことも多いのではないでしょうか。
さらに、色々なホームページを見ていると、どれも同じに見えてしまい、このような情報だけで、その会社の良し悪しを判断するのは「至難の業」です。
ですからホームページは、建築屋さんを知るための手段と考え、その先は、従来通り直接話を聞いて判断することになるでしょう。
また、ホームページとは別に、インターネット上には「口 コミ」なる情報もあり、そこには、その会社の「評判」が、第三者によって書き込まれています。
ただ、この「口 コミ」は、誰が書いているのか分からず、「ひねくれた考え方」をすれば、「良い口コミは自社、悪い口コミはライバル会社が書いている」なんてことも、あり得ます。
「口コミは信用できない!」とまでは言いませんが、実際にお客様が書き込んだとしても、その内容は「良い事・悪い事」両極端であることが、ほとんどです。
同じ建築会社なのに、お客様からの評価が両極端。
これは、先ほどの「味覚の個人差」の話と同じ事なのでしょうか?
住宅とラーメン、同じ土俵で比較するのも何なんで、少し別の角度から考えてみます。
建築屋さんには、「営業」と「施工(現場)」のニ枚看板があり、まず最初に、お客様と接するのが営業です。
最初の時点で印象(相性)が悪ければ、話が進む事は無いでしょうが、逆に「意気投合」すれば、契約・工事着工と、トントン拍子に話が進む事も少なくありません。
そして、完成・引き渡しまで、問題なく進めば良いのですが、工事途中にトラブルがあったり、完成・引越し後に新たに不満が出る事もあります。
その「不満」で、よく聞く話の一つが、「営業マンが言っていた事(打合せ内容)と、やっている事(工事内容)が違う」という事です。
その原因には、明らかに「過失」がある場合と、「事前の説明不足」や、お互いの「ちょっとした行き違い」が、解決されないまま、時間の経過とともに、「不満」に変わってしまう事があります。
後者の場合のほとんどが「感情(気持ち)」の問題で、「信頼していた営業マンに裏切られた」と感じたお客様と建築屋さんの間に、「信頼関係」は無く、後からどんなに丁寧に説明しても、その全てが「言い訳」に聞こえてしまいます。
同じ建築屋さんが建てた建物でも、お客様によって、両極端な評価があるのは、建築は建物自体の良し悪しだけではなく、「建てる建築屋さんとの信頼関係も、その住宅の住み心地に含まれる」という事ではないでしょうか。
また、一般的な「営業マニュアル」も、住宅に関しては、お客様が求める事も幅広く様々ですから、全てをマニュアルに当てはめて対応するのにも限度があります。
たまたま、マニュアル通りに話が進むお客様と、そうではないお客様。
これも、建築屋さんの評価が二分する原因の一つかも知れません。
話が少し脇にそれましたが、建築屋さん選びでもう一つ。
すでに家を建てた友達から、「紹介してもらう方法」があります。
たまたま遊びに行った友達の家は、雰囲気が良く、なんとも居心地がいい、なんてことはありませんか?
話を聞けば、「営業マンは良い人で、工事もしっかりしていて満足してる」との事。
当てもなく、建築屋さんを探しても、5~6社の話を聞くと、もう「お腹いっぱい」で話を聞くのも嫌になります。
ましてや、「営業マンは、本当の話をしているのか?」なんて疑い始めたら、なおさらです。
こんなタイミングで、友達の話を聞けば、「建てた本人が言うんだから、間違いない!」と思うのも無理ありません。
しかし、ここにも「落とし穴」があり、友達と「相性」が良かった建築屋さんが、自分とも良いとは限らないですし、担当する営業マンや施工する職人さんが同じとも限りません。
「友達が言うんだから間違えない」という、一見、確実に見えるこの方法も、「友達のお墨付き」という先入観が、逆に自分自身の判断を鈍らす結果になることもあるのです。
この方法も、結果的に上手くいけば良いのですが、上手くいかなかった時は、友達関係をも壊してしまう事があるので注意が必要です。
紹介する側の友達も、「絶対いいよ」ではなく、「参考までに、話を聞いてみたら」くらいが、丁度いいのかも知れません。
これまで、色々と書きましたが、結局、「建築屋さんを選ぶのは、どうしたらいいのよ!」と聞かれれば、
「難しくて、一言では言えません」というのが結論です。
<(_ _)>スミマセン
強いて「一言」で言うとすれば、「建築屋さん探しは、結婚相手を探すようなもの」です。
急に抽象的な話になりましたが、建築屋さんとお客様のお付き合いは、家を建ててから30年以上も続き、さらには、子供、孫の世代まで続きます。
まさにそれは、家族・親戚付き合いのようなもので、単なる商売上の「損得勘定」だけで割り切れる事ではありません。
「自分の人生の半分をこの建築屋さんに託して良いのか」そう考えれば、消費税増税や決算時期のキャンペーンを餌に「早く決断させようとする営業方法」は、お客様のためというよりも、「建築屋さんの都合」に感じてなりません。