今日から、2階の増築工事です。
今回の建物は、玄関を中心に左右ほぼ対象のシンメトリックなデザインで、2階のバルコニーも左右対称にありました。
そして今日から、そのバルコニーだった部分を増築して部屋にする作業です。
バルコニーの撤去と、増築部分の外壁の撤去は先行して終わらせていたので、バルコニーが載っていた屋根の解体からです。
今回は、ほぼ同じ構造の増築が2ヶ所ありますが、まず先に、向かって右側から手を掛けます。
左側の増築は、居間の出窓の撤去と復旧工事がプラスされ、作業量が多いので、まずは右側からという事です。
今回のように、構造に手を加える増築(改築)の場合、事前に確認申請図面等により、構造のチェックをします。
特に壁の位置を変えるために柱を抜く際には、注意が必要です。
今回も、構造上必要な柱を抜く必要があり、梁の補強が必要であることを事前に確認していて、その分の材料も用意しています。
しかしながら、図面通りではないことも多々あり、そのときには、現場での「応用力」が必要です。
バルコニーの屋根を解体した後は、まず新規外壁面の作業を進めます。
お客様が住みながらの工事が多いリフォームでは、毎日、区切りの良いところまで作業を進める必要があります。
今日の増築では、防犯と雨対策が最優先なので、既存の外壁面を壊す前に、新規部分を先行して作業を進めます。
この時点で、大きな問題が発生した場合は、仮に外壁面をふさぎ、後日改めてとなるのですが、今回は大きな問題も無く、順調に作業が進んでいるので、新規外壁面の下地が、ある程度できた時点で、既存外壁部分の解体にかかります。
また、新規外壁下地と同時に、増築部分の床下地も先に作ったので、解体作業がしやすい状態になっています。
新規外壁下地が完成する前に、旧外壁面の解体を始めるのは、廃材を搬出しやすくするためで、先ほども書きましたが、今回は、構造上必要な柱を抜く必要があり、解体と同時に補強の作業も進めます。
上の写真は、旧外壁面の構造部です。
構造の基本的な考え方は、「上からの荷重を梁や柱を通じて基礎までどうやって伝えるか」です。
今までは、屋根の荷重をまず小屋梁で受け、両側と中間の柱、計4本で下の階の梁に荷重を伝えていましたが、今回の増築に伴い、中間の2本の柱を取り外す必要があり、小屋梁の補強が必要です。
補強は、既存の梁の下に、新たに梁を入れ、補強金物で固定します。
写真の手前に写っている部分は、今回、新たに外壁面になる部分ですが、元々バルコニーの開口部で、大き目の梁が入っているので、補強の必要はありません。
今日の作業に関しては、ほぼ当時の図面通りで、用意した補強用の梁を入れるだけで、大丈夫でした。
この後、新規外壁面にサッシを取り付け、その他、防犯、雨対策をして、本日のノルマ達成なのですが、
少し時間に余裕があり、今晩から明日にかけての天気も良さそうだったので、明日増築予定の屋根板金をはがし、明日の作業が効率よく始められるように準備して、本日の作業は終了です。
※念のため、屋根はしっかりと養生してあります。