そろそろリフォームを。
「10年一昔」と言いますが、「木の森」も創業から15年があっという間に過ぎました。
改めて15年間を振り返ってみると、沢山のお客様と出会い、色々な建物に関わってきました。
それは新築だけではなく、リフォームや外構工事など様々です。
数年前までは、他社で建てた建物のリフォームが大半を占めていましたが、ここ数年は、当社で手掛けた建物のリフォームも増えてきました。
今回ご紹介するリフォームも、当社で建てた築10年の建物です。
主な工事内容は、居間の吹き抜けに床を作って洋室にする工事で、新築計画時から、部屋にすることも想定しプランしていましたので、「計画通りの工事」という事になります。
<作業1日目>
まずは、養生。
いよいよ作業開始です。
吹き抜けの壁を一部切り抜いて、2階の床を支える梁を掛けます。
<作業2日目>
今日は、床下地から作業を始めます。
せっかく天井を作るなら、「お洒落に」にという事です。
そして、お客様のご要望により、吹き抜けを一部(畳一枚分)残しています。
以前、吹き抜けに面していた多目的ホールは、洗濯物を干すのに丁度良いスペースで、そこにある手摺も使い勝手が良く、今回もその機能を少し残しました。
また、この小さな吹き抜けは、空間に変化を与えると同時に、建物内の空気の循環を良くする効果もあります。
<作業3日目>
2階ホールには、2,600㎜の長さの鉄手摺がありました。これは、階段手摺とデザインを合わせたオリジナルなので、加工して、今回残した吹き抜けに再利用します。
外した手摺は一度持ち帰り、必要な長さにカットしてコーナー部材を溶接、現場で微調整しながら組立てます。
<作業4日目>
作業も順調に進み、今日が大工さんの最終日です。
<作業5日目>
今日から仕上げ、まずは塗装工事です。
色々作業はありますが、鉄手摺がメインです。
再利用した手摺を中心に、既存の手摺も一緒に塗装して、色を合わせます。
<作業6~8日目>
内装工事。
まずはクロス下地のパテ処理です。
どんな作業も下地が大切。2度3度と丁寧に処理します。
「吹き抜け」を部屋にする工事は、お客様の生活環境の変化と共に、仕方なく決断をすることが多々あります。明るく開放的な空間をあきらめて。
本来リフォームは、古くなった部分が新しくなったり、使いやすくなったりして、嬉しいものです。ですから、「仕方なく」の「後ろ向きのリフォーム」はとても残念です。
そこで我々は、お客様に「発想の転換」をしてもらい、吹き抜けを無くすことでしか出来ない空間をお客様と一緒に考え、ご提案しました。
今回は、居間の天井を高めに組むことで、2階床の構造材(梁)をアクセントとして見せ、壁にもあえて段差を作り、「光と影」で変化のある空間に仕上げました。
そして気になる「圧迫感」は、吹き抜けだった部分に天井が出来ることで、違和感はあるものの、逆に天井を作ることで「縦横(天井高と床面積)の比率」が変わり、居間が広くなったように感じます。これはあくまでも「錯覚」なのですが、新築でも、部屋を広く見せるために、あえて天井を低く組むことがあるので同じ効果です。
最初に感じていた「違和感」も、時間の経過とともに薄れ、気にならなくなることでしょう。
<最近のリフォームで思うこと>
「安く良く」できれば、それに越したことは無いのですが、安いばかりの「価格勝負」でお客様の思いが「置いてけぼり」になっているケースが多々あるよに思います。
ただ、お客様もその比較が難しく、それに気付くのは、工事途中か終了後で、「気付いた時には、後の祭り」なんてことも。
木の森がリフォームの看板を積極的に上げないのは、「価格ありき」の無意味な競争には参加したくないから。とは言え、ありがたいことにリフォームの仕事も毎年結構あり、そのほとんどと言うか、全てが紹介か、今回のようなOBのお客様です。
無意味な競争をしない分、我々は助かりますが、ちゃんとコストダウンも考えています。作業を終えたときに、「この仕事で、この金額なら安いね!」と言われるように、他社との価格の比較ではなく、仕事の内容と価格の比較で。
これは、新築工事でも同じ事なんですが、なかなか表に見えない分、宣伝上手な会社に軍配が上がるのが常なんですかねぇ。