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決めるタイミング

自動車や家具・電化製品など、少し高額な商品を購入する時、そこには専門の営業マンがいます。

その営業マンから、「何か、お探しですか」と声をかけられるのと、何も声をかけられず、そっとしておかれるのと、どちらが良いですか?

とりあえず、どんな商品か見て、カタログだけ欲しい時、逆に、お目当ての商品は、ほぼ決まっていて、最終決断が出来ず、「後押し」をしてもらいたい時など、その時のお客様の状況(心境)によって、「営業マンに求める対応」も変わってくると思います。

さて住宅の購入は、そんな中でも、かなり高額な商品になります。

インターネットを見ながら、「ワンクリック」で購入するような 商品ではなく、やはり「専門の営業マン」の説明を聞きながら決めるのが一般的です。

ただ、「専門の」とは言っても、

「興味があったら、連絡ください」と資料をただ置いて行く、「強気な営業マン」。

一度、問い合わせをしただけで、しつこく営業に来て、早く話を進めたがる「自分本位な営業マン」。

また、やる気があるのか、無いのか分からない「のんびり営業マン」。

ほかにも、色々なタイプの営業マンがいます。

そして、住宅には「個性」があります。

それは、住むお客様の個性であったり、造る建築屋さんの個性であったり。

別の言い方をすれば、二つとして同じ商品(建物)は無く、その良し悪しを性能値や坪単価などの「数値だけを見て、横一線で比較することが難しい」という事でもあります。

 

今回のお話は、「建築屋さんや、そこの営業マンの良し悪し」ではなく、建築を計画されるお客様自身が、「ご自分の判断基準を持ち、それに照らし合わせて、ご自分のタイミングで決める」というお話です。

しかし、急に「自分の判断基準で決める」と言われても、住宅の建築なんて一生に何度もある事ではないでしょうし、「最初で最後」という方がほとんどで、きっと戸惑うことでしょう。

そこで、「判断基準」について、少し考えてみます。

【住宅の建築のための知識は?】

知識は無くても大丈夫です。

事前に、ある程度の知識がある事は理想ですが、分からなければ、営業マンに聞けば良い事ですし、その「対応の違い」で、「建築屋さんの違い」を知ることが出来ますから。

ただ、分からないことを聞いているので、「その答えが正しいか」の判断は、すぐ出来るものではありません。

「鵜呑み」にはせず、しっかりとメモを取り、他社の営業マンに同様の質問をしてみるのも一つです。

この時、大切なのは、ご自分のペースで打ち合わせ(質問)をしながら、「学ぶ」という事です。

※「ご自分のペース」に関しては、また後で触れることにします。

また最近では、インターネット等で、事前に勉強されるお客様も多く、大いに結構な話なのですが、その情報にも「誤り」があったり、一般的には正しい情報も「寒冷地」である北海道では、当てはまらない事も多々あります。

まずは「予備知識」として、参考にする程度にして、これも建築屋さんに質問してみては、いかがでしょうか?

【住宅を取得するのに必要な費用は?】

この事が、一番気になる事かも知れません。

まずは、土地代と建築費。

それ以外に、諸費用、さらにカーテンや家具など、新築に合わせて買い揃えたい物の費用。

それから、忘れてはいけないのが、引越し費用。

せっかく「新居が完成しても、引越しできない」なんて事になったら、大変ですから。

細かいことを言えば、まだあるのですが、今は、土地・建物以外にも、間接的に必要な費用がある事を覚えておいてください。

【資金について】

自己資金と借入金。

自己資金は、ご自分で直接ご用意出来る資金の事で、あるものを全部出してしまうのではなく、先ほども書きましたが、家具や引越しの費用など、「余力」を残しておく必要があります。

また、この自己資金は、割合が多いほど、色々な面で有利に働きますので、「建築の予定は、まだ先」という方も、日ごろからコツコツと、貯めておくことをお勧めします。

次に借入金です。

これは、いわゆる住宅ローンのことですが、最初は「どれだけ借りたらいいのか」また、「どれだけ借りられるのか」が分かりませんので、まずは借入額よりも、「月々の返済が、どれ位まで可能か」を考えておくと良いと思います。

この「返済可能額」も、ある程度の余裕を持って、考えておく事が大切です。

月々の返済額を最大限ギリギリで考えて、結果的に「夢のマイホーム」を手放す結果になっては大変です。

【理想の家と土地】

家と土地は、切っても切り離せない関係です。

(理想の家)

叶うか、叶わないかは別として、どんな感じの家にしたいのか。

部屋数や広さ、キッチンの雰囲気や外観のイメージなど。

建物の事ばかりでなく、駐車スペースや庭、家庭菜園の事など外構関係も。

とにかく、「理想の家」を思い描いてみてください。

これらの事は、ノートに書いて整理しておくと、分かりやすいですし、イメージする雑誌の写真などを切り抜いて貼っておけば、伝えやすいですし、後から見ても思い出になります。

(理想の土地)

土地に関しては、すでに、お持ちの方と、これから探す方が、いらっしゃると思いますが、ここでは、「これから土地を探す方」について、お話をします。

まず、「良い土地」とは、どんな土地でしょうか?

結論から先に言うと、「人それぞれ」で、誰もが認めるBESTな土地は、ありません。

一般的には、南向きの土地が人気のようですが、「~向きの土地」とは、「土地のどの面に道路が接しているか」という事で、どの向きの土地でも、その中には「東西南北」があり、「北向きの土地だから、日当たりが悪い」とは限りません。
日当たりの良し悪しは、その土地の広さや周辺の環境にも左右されるのです。

そして住宅は、日当たりの良い南面に居室を配置します。

人気がある「南向きの土地」、すなわち「南面に道路が接する土地」では、居間などの居室を道路に面して配置することになり、そこを通る車や人の視線が気になれば、「昼間でもレースのカーテンを閉めっぱなし」という事もあり得ます。

さらに、駐車スペースも道路に面して作るので、カーポートやガレージを設置すれば、当然、日当たりが悪くなってしまいます。

どの方角の土地でも、メリット・デメリットはありますから、メリットは、そのまま生かし、デメリットは建物でカバーする。

これが、土地と建物の切っても切り離せない関係です。

さらに、土地の形状や地質によって、建築費が大きく変わる事も忘れてはいけません。

そして、もうひとつ大切なのが、冬の問題です。

「雪の量」や「雪捨て場」も問題ですが、見落としがちなのが、「雪庇」の問題です。

雪庇は、ある程度大きくなると、一気に落ちるので、その下は危険がいっぱいです。

それが玄関先であったり、人が通る通路(道路)であったりすれば大変です。

札幌近郊の冬は、主に北西方向から風が吹き、その風下である南東方向に雪庇が出来ますから、このような事を考慮した土地選びや、住宅のプラン作りが大切です。

また、住む地域を選ぶ際、交通や買い物の利便性なのか、子供が通う学校なのか、それとも、これらの事をある程度犠牲にして、広い土地を求めるのか。

地域選びにも「個人差」があり、すべての条件が叶う土地が、見つかるとは限りませんから、何を重視するかを整理して、その優先順位を決めておく事も大切です。

【思想の家を形にする】

理想の家、理想の土地がイメージ出来たら、今度は実際に理想の家のプランと見積りを作り、形にする事です。

「まだ、土地も決まっていないのに?」と思う方も多いかもしれませんが、「間違った土地選び」をしないために、あえて、土地の上に建てる建物の事を先に考えます。

「気に入った土地を購入したが、結果的に夢は叶わなかった」という話をよく聞きます。

これは、気に入って購入したはずの土地が、実際は「理想の家の妨げになった」という事でしょう。

大きさ(広さ)の問題だったのか、予算の問題だったのか。

土地は、「売れてしまえば、同じ土地は二度と手に入らない」。

地域によっては、「時間が勝負」なんて事もあります。

だから、「良い土地」が出たら、すぐに判断をしたい。

「理想の家」のプランと見積りを先に作るという事は、必要な土地の広さや形状・予算がハッキリするので、「良いと思われる土地」が出た時、「早く、正確に決断できる」という事です。

仮に土地の予算がオーバーしていても、建物の金額が出ていれば、仕様を変えるなどして「価格調整できる範囲か」を、すぐに判断できますから、最終的に納得して土地と建物の契約を出来るという事になります。

 

ざっと5つ項目を書いてみました。

「これが全て」という事ではないのですが、このような事を考えていくと、「じゃあ、これは?」と新たな疑問が、次々と出てくるはずです。

建築屋さんが、「したい説明」を一方的に聞くのではなく、お客様が疑問に思う事を質問し、納得できるまで説明を聞く事が大切です。

さて、今回の「決めるタイミング」ですが、

建築屋さんを決めるタイミング。

そして、契約するタイミング。

これを「お客様ご自身のタイミングで」という事です。

多くの方のタイミングを見ると、「お客様が納得(理解)する前に、とりあえず」という事が、多いように思います。

建築屋さんにしてみれば、「お客様が他に逃げないように」という気持ちから、仮契約でもいいから、「早めに印鑑が欲しい」という事になるのでしょうが、お客様にしてみたら、そこまでの判断材料が無いまま、「今なら~」と値引きや、キャンペーンの話で惑わされ、ついつい。

お客様に考える時間を与えない。

これは、「後からよく考えてみると・・・」と、ジワジワと不満がこみあげてきたりします。

でも、その時は「後の祭り」です。

お客様が、すべての疑問を理解・納得できた時。

その時が、タイミングです。

「予算的に厳しいお客様」

「契約まで時間が、かかりそうなお客様」

「キャンペーンに引っかからないお客様」

効率良く営業したい建築屋さんは、お客様にも優先順位を付け、いつの間にか離れていきます。

「時間をかけて、マイペース」は、建築屋さんを選別する一つの方法かも知れません。

「お客様のペースで」

これは、とても大切な事です。


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