年齢を重ねると、身体の色々なところにガタがきます。
ですから、日頃のメンテナンスが大切です。
〈 歯にしみる 〉
最近、冷たい物が歯にしみるようになり、「これは、知覚過敏だなぁ」と思い、歯医者さんに行きました。
歯医者さんが苦手な方は多いと思いますが、私もその1人です。
その一番の原因は、「音」です。
「キ~ン ( `皿´)」というあの音は、医療器具というよりは、車の整備工場などで使われている工具の音に聞こえてなりません。
ただ、今回は知覚過敏だから、「薬を塗る程度だろう」と安心していました。
〈 診察室へ 〉
名前を呼ばれ、診察室へ。
「知覚過敏ですねぇ~」と言われ、パッパと処置をして終わることを期待していましたが ・ ・ ・。
その期待に反して、
「奥の歯が、軽く虫歯になっていますねぇ~」。
しかも、左右2箇所も。
「痛い方から先に、治療しましょう」と言われ、そのまま治療へ。
〈 右か左か 〉
あまりにも突然のことで、心の準備が出来ておらず、「どちらが痛いか」なんて考える余裕もなく、無意識に右側の歯を指差し、先に治療する歯が決まりました。
後で冷静になってみると、左の歯の方が痛く、このあと1週間以上、この痛みと格闘する事になりました。
〈 歯の健康優良児 〉
30年以上前の話になりますが、私は小学生の頃、「歯の健康優良児」として、表彰されたことがあるんです。
それに加え、小・中学校共に、無遅刻・無欠席で、卒業証書と一緒に「皆勤賞」もいただきました。
ただ、本業である学業の方は、さっぱりでしたから、母からは「歯と身体だけは優秀ねぇ」と皮肉を言われてました。
あれから20年、私も親になり、「子供が健康であることは、何よりも幸せなことだ」と感じ、当時、私の母が成績の事をあまり言わなかったのは、そういう事なのかと、勝手に解釈しています。
〈 治療開始 〉
そんな健康優良児も、時の流れには勝てず、診察室の椅子に座らされ、正に「まな板の上の鯉」の心境です。
顔面にライトを当て、「麻酔かけますねぇ」と先生。
そして、「しばらく、このままお待ちくださぁい~」と、先生は席を立ちました。
何をするでもなく、ただ時間だけが過ぎていきます。
診察室に鳴り響く、「キ~ン」という音。
私にはまだ、まわりを眺める余裕があり、麻酔が効くまでの待ち時間、これから治療に使うであろう器具をじっくり観察しましたが、何度見ても、あれは医療器具ではなく、工具です。
しかし、私もいい歳のおっさん、覚悟を決めました。
〈 その言葉、ちょっと怖い 〉
麻酔が効いて、いよいよ治療が始まります。
先生は、「痛かったら我慢しないで、手を上げてくださぁい」と、優しい感じで一声かけ、例の工具の「キュイ~ン」という音。
先程、覚悟を決めたはずの私ではありますが、
先生が優しく言った「痛かったら我慢しないで」の言葉が、耳の奥から呪文のように、繰り返し聞こえます。
「痛かったら我慢しないで、 ・ ・ ・ 」、「痛かったら我慢しないで、 ・ ・ ・ 」
これから、我慢できないほど痛い事をするのだろうか?
急に、不安と恐怖が頭の中を渦巻きます。
「どうしよう ・ ・ ・ (;゚Д゚)ガクガクブルブル 」。
しかし、そんな不安をよそに、リクライニングしていた椅子が起こされ、「口をゆすいでくださぁい」、
「次回は、明後日以降に来てくださぁい」と、いつの間にか治療は終わってました。
訳が分からないまま終わって、ほっと胸を撫で下ろしたと同時に、やさしい言葉も、受け止め方によっては、「怖~い一言」にもなると感じました。
私が勝手に、そう受け取っただけと言ってしまえば、それまでなのですが、「何気ない怖い一言」、私も知らないうちに使っているかもしれません。
これからは、ちょっとした言葉1つにも、注意しようと思いました。
P.S.
治療を続ける中で、反対側の歯の治療をするときの先生の一言。
「痛かったら、麻酔しますからぁ」。
「痛かったら」って、
「それなら、先に麻酔を・・・(/´Д`)/Heeeeeeeelp!!!!!」って感じでしたが、
結局、痛くありませんでした。
〈 結論 〉
先生は、治療が上手い。