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誰も褒めてくれない。

自宅を建てて、あっという間に10年が過ぎました。
住宅ローンもその分減りましたが、まだ25年残っています。
残りの支払い回数を指折り数えても、気がめいるだけなので、家賃だと思って毎月コツコツ払い続けようと思っています。

建築の仕事をしていると、 「思い通りの家を建てられて、良いですねぇ」と言われる事がよくあるのですが、実際はそうでもないんです。
確かに、色々な情報を見聞きする機会が多く目が肥えてくるので、「究極のマイホーム」が私の頭の中には描かれていました。ただ、「出来るか出来ないか」はあくまでも予算の問題なので、最初の平面プランの段階でそれを機械的に仕分け、ほぼ悩むことなく1時間程で、夢を削り落としたプランが出来上がりました。
ただ商売柄、多少の見栄は張りたいし、家族には喜んでもらいたいし褒めてもらいたいですから、あとはデザインで工夫するしかありません。浴槽タイル
例えばお風呂は、全体的に歪のある白い100㎜角のタイルを無難に張りながらも、ワンポイントで小さな紺色のタイルをチェック柄にして入れました。
このチェック柄、自分では結構気に入っているのですが、家族は誰も褒めてくれず、さらには「気付いてないんじゃないか」と思うほど無反応です。
そのほかにも、色々とコストを抑え工夫したところがあるんですが、そのほとんどがスルーです。
逆に、少し広めに車庫を造ったら「ズルイ!」なんて言われて。事前にちゃんと図面見せて説明したんですけど、あえて広さの事は触れなかったので、そう言われるのは「想定内」でしたが。
それでも救いがあるのは、子供の学校の先生が家庭訪問で来ると、褒めてくれる事があるそうで。
そんな話を聞けば、私も嬉しくなって、妻を相手に「蘊蓄(うんちく)」を傾けるのですが、ふと「私が先生の立場だったら」と考えると、パッとしない子供の親の前では、「話題づくり」のために家を褒めるかも知れません。とりあえず、それが手っ取り早いですから。

それはさておき、大人でも子供でも、男子は褒められると頑張れるんです。それが「活力の源」なんです。
我が子(男の子2人)を見ていれば、手に取るように分かりますし、私もそうです。

褒めない妻が悪いのか、褒められない男達が悪いのか。

子供達が成長するにしたがって親は、褒めるより叱る事(小言)が多くなってしまいます。
最初は、手足を動かしただけでも大騒ぎでしたが、最近では「出来て当たり前」になっているんですよねぇ。でも、よ~く観察してみると、子供達は日々成長している事が分かります。
子供が成長してくると、親の手はかからなくなってきますが、成長はし続けています。大人はそれに気付き、良いときは褒めてやり、悪いときはちゃんと叱ってやらなければダメなんですよねぇ。それが成長に必要な栄養素なんだと思います。

子供達の成長に比べれば、風呂のチェック柄のタイルなんて、褒めるに値しないのかも知れません。私もちゃんと褒めてもらえるように、日々努力しようと改めて思いました。

 

 

 


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葉