最近は、リフォームを「リノベーション」なんてオシャレな言い方をしますが・・・
ウィキペディアで、その言葉の意味を調べてみると、
リフォームとは、「老朽化した建物を建築当初の性能に戻すこと」で、リノベーションは、修復だけでなく、用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりする行為も含み、「より良く作り変える」という目的が含まれていると書いてありました。
呼び方が新しいと、やっている事も新しく感じるかも知れませんが、「より良く作り変える」という意味では、リフォームも増改築も変わりません。
よく分かりませんが、「デザート」と「スイーツ」の違いのような物でしょうか。
さて、「リフォーム」には、大きく分けて3つの要素があります。
1. 外壁材や内装材などの表面部材を新しくして、見た目をリフレッシュする工事。
2. 悪くなった部分を交換して、元通りにする工事。
3. 増築や改築に加え、断熱性能を上げるなど用途や使い勝手を良くする工事。
そして、この3つは、それぞれ単体で存在すると言うよりは、どこかで関わり合うことが殆どです。
建物は古くなれば、色々なところが傷んでくるのは当然で、同じ時期に建てられた建物を比較すると、定期的にメンテナンスをしている建物と、何もしていない建物とでは、傷み方が違いますし、「元々の造り」によっても違います。
「元々の造りの違い」は、建てた建築屋さんの違いや、同じ建築屋さんでも、建てた職人さんが違うだけでも、変わる事があります。
また、定期的なメンテナンスをしても、「間違ったメンテナンス」は、後から余分な手間(費用)がかかり、注意が必要です。
少し話は変わりますが、「建てた建築屋さんに、リフォームを頼まない」という話をよく聞きます。
これは、新築時や、その後に何かトラブルがあって、信頼関係が壊れていたり、建てた建築屋さんが廃業していたり、中古住宅を購入したが、建てた建築屋さんが分からなかったりと、理由は様々でしょう。
しかし、どんな理由であれ、「リフォームで今よりも良くしたい」と思う気持ちに違いはありません。
その一方で、「リフォームをして、前より悪くなった」なんて話もよく聞きます。
そのたびに、2度3度と業者を変え、リフォームを繰り返し、その後、縁あって我々に工事のご依頼がある事も多々あります。
そんなリフォームを繰り返した建物を見て、共通して言えるのが、「悪くなった部分をただ隠すだけの工事をしている」という事です。
お客様にお話を聞くと、リフォームをやった業者に、問い合わせても「元の状態(建物)が悪いから仕方ない」と言われ、「泣き寝入り」してしまうのが現状のようです。
自分たちの施工が悪くても、「元の状態が悪いから」と逃げてしまう、それがリフォーム業界なのでしょうか?
確かに、直せる状態ではない建物もあり、我々もリフォームより「建て替え」をお勧めする事もありますが、それなら最初から「直せません」とお伝えするべきで、工事が終わってから「元の状態が悪いから」と言うのは、言い訳にもなりません。
ただ、お客様にしてみれば、「直せます」という業者と、「直せる状態ではないので、建て替えを」という業者のどちらを信じれば良いのか、また、直せるのに建て替えを進める業者もいると考えれば、正しい判断をするのは「至難の業」です。
しかし、その判断も、営業マンの話を冷静に聞いていれば、その中にヒントがあるかも知れません。
これから、いくつかリフォームの例をあげながら、そのヒントを探してみたいと思います。
まずは次回、「外壁の張替え」についてです。