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失敗しないリフォーム 4

まず、金額を知りたいので、とりあえず見積りを!

という方は、結構多いのではないでしょうか。

その「見積り」ですが、お客様にとっては、「少しでも安いほうが良い」と思うのは当然の事です。

施工業者も、その事を心得ていて、お客様が求める「安い見積り」を一生懸命に作ります。

新聞に一緒に入ってくる、リフォームの折込チラシを見ても、Before→After の写真と、安い価格が目を引きます。

 

もともと、「適正価格」がはっきりしない、リフォーム業界ですが、お客様が「安い」と感じる見積りは、「他社の見積りと比較して」という事が多いようです。

しかし、この比較には、少し問題があるので、お話しをします。

 

例えば100m走では、「同じ100mを誰が一番速く走れるか」を競いますから、単純にそのタイムを見れば、結果は一目瞭然です。

しかしリフォームは、お客様が求める事(ゴール)は同じでも、そこに行き着くまでのやり方(工法)が、各社違いますから、見積書の金額だけで判断するのは、「失敗のもと」です。

「失敗は、成功のもと」とも言いますが、新築やリフォームは、一生のうちに何度もチャンスがある訳ではないので、出来れば1回も失敗はしたくないものです。

 

さて見積りは、ゴールの金額を示すと同時に、途中の道筋を示す地図でもあります。

ですから、全てが一式で書かれた見積りや、根拠のない大胆な値引きで安く見せる見積りは、集合場所と最終目的地しか教えてもらえない、旅行ツアーのようなもので、途中のコースや宿泊するホテル、食事の内容が一切知らされず、仮に世界一周¥100,000と言われても、恐ろしくて申し込む気にはなりません。

見積りの最終金額は、「細かな事の積み重ねの結果」ですから、そこに至るまでの「根拠」が示されていなければ、最終金額の意味がありませんし、たとえ根拠が示されていたとしても、金額を見ただけでは分からない内容もありますから、しっかりと説明を受けて、初めて判断できるものです。

説明が出来なかったり、説明してもらっても、「一式には、全部含まれてますから大丈夫ですよ!」と、お茶を濁したような説明であれば、それは、お客様が求める「安い見積り」に、後から項目を書き足しただけの、「根拠の無い、数合わせの見積り」であることが、ほとんどです。

そして実際の工事は、その「根拠の無い見積りに、無理矢理、辻褄(つじつま)を合せた工事」ということに、なるのではないでしょうか。

ただし、工事金額を一式でしか書き表せないものもあり、必ずしも「一式」が悪いという事ではありません。

しかし、「根拠ある一式工事」は、しっかりと説明出来るはずです。

 

それでは、見積り金額は、何と比較したらよいのでしょうか。

結論は、「他社の見積りとの比較」ではなく、「見積りの工事内容との比較」です。

そして、同じリフォームでも、各社、考え方の違いから、工事内容(方法)が違うことがありますから、この内容に関しては、「他社と比較」するべきところです。

 

工事内容(方法)は、他社との比較。

見積り金額は、それぞれの見積書の工事内容との比較。

決して、工事内容が違う、数社の見積書をテーブルの上にに並べて、金額だけを見比べることではありません。

 

見た目が同じ箱に、それぞれ¥1,000と、¥5,000の値札が付いていて、「どちらが高いか」と聞かれれば、皆さん「¥5,000の箱」と答えるはずです。

しかし、¥1,000の箱には、普通の缶コーヒー、¥5,000の箱には¥30,000相当の超高級ワインが入っていれば、必ずしも¥5,000のほうが高いとは言えません。

当然、好き嫌いがありますから、「私は、ワインを飲みませんから、いくら高級でも¥5,000は高い」と言う方もいらっしゃるかも知れませんが、通常¥100前後で買える缶コーヒーをわざわざ¥1,000も出して買う方は、いないと思います。

リフォームでの失敗は、「その箱の中身(工事内容)が同じだろう」と、思い込んでしまうことから始まります。

 

電化製品や自動車などのように、先に商品が出来ている物とは違い、新築やリフォームのように、打合せをしてから作るものは、極端な言い方をすれば、「安い見積りに合せた安い仕事」をいくらでもでき、そうすれば、利益もしっかり出せるのです。

しかし、「お客様にとっての利益は?」と考えると、残念な結果になることが、ほとんどでしょう。

 

一見、高く見える見積りも、実際の工事内容と比較してみると、そうでもない事も多々あります。

あくまでも、工事内容との比較が大切です。

 

同じリフォームでも、工事内容(方法)は、各社違うもの。

見積りをしっかりと読み、業者の説明を冷静に聞くことで、失敗の8割は回避できるはずです。

10割ではないところが、残念なところではありますが、残りの2割は、出会い(運命)でしょうか。

 

 

 


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