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小樽市 I 様邸 リフォーム工事 1

本日、リフォーム工事の着工です。

主な工事内容は、

    •  外壁の張替
    •  屋根板金の葺き替え
    •  2階増築
    •  和室の改築
    •  サッシ・玄関ドア交換
    •  床の張替
    •  流し台交換
    •  その他    です。

 

I 様邸は、5年前にも、脱衣室(洗面台造作)とユニットバス・トイレの交換工事等をご依頼いだだいていて、今回の工事で、ほぼ建物全箇所をリフォームする事になります。

そして今回は、屋根や外壁をはがしたり、増・改築するために一部解体したりと、表からでは見えない部分を見るチャンスでもあります。

その状態を見る事で、さらにその奥が、どのような状態になっているかも推測できます。

せっかくのリフォームですから、悪くなった部分は、どんどん直します。

 

この時期の天候は、「女心と秋の空」と言われるように不安定なので、天気が良い日は、外部の工事を優先して進めます。

小樽市 I 様邸 リフォーム1-1

という事で、秋晴れの今日は、スチールバルコニーを撤去してから、外壁の撤去開始です。


それと、打合せ段階から気になっていた、屋根の破風部分を確認します。


仕様書を見ると破風は、「木製」となっていましたが実際は、その上から、薄い板状の材料を正面から釘で留め付けているように見えます。

お客様の話によれば、「新築当初は木製の破風だったが、塗装がはがれてきたので、建築屋さんが何かを打ち付けていった」との事でした。

確かに、木製の破風はオシャレなのですが、定期的なメンテナンスが必要で、しかも屋根の一部である破風となれば、その都度、足場や梯子が必要で、費用のことを考えれば、あまり現実的ではありません。

それで、木製の破風を隠すように、何か打ち付けたのかも知れませんが、遠くから見ても分かるように、継ぎ目だらけで、防水処理もされていないようですから、下地である元々の破風材の状態が心配です。

まず、足場に上がって確認してみます。

小樽 I 様邸 破風3

やはり、板状の材料(アクリル板)を、正面から釘で留め付けていて、防水処理はされていませんでした。

下地の状態を確認するために、このアクリル板を全て取り除いてみると、すき間だらけだったのが功を奏したのか、全体的には、そんなに悪くない状態でした。

ただ1ヶ所、玄関上の部分だけ、破風材が割れ、その部分の軒天スレートも傷んでいるので、交換が必要です。

泉 信孝様邸 破風割れDSC_0405

そして、「破風材の割れ」により、その周辺の軒が約2~3㎝程度、下がった状態でした。

泉 信孝様邸 破風材の下り

この部分は明日、天井を解体し、さらに調査します。

 

次に確認したのが、屋根の状態です。


約30年の間に、1回メンテナンス(塗装)をしています。

現在の状態は、以前メンテナンスした塗装が色あせ、所々サビが出てきています。

サビは、ある程度以上出てくると、再塗装してもダメですが、今回はまだ、初期段階のサビなので、再塗装も可能ですが、あえて板金の葺き替えを選択しています。

その理由として、今回のリフォームの目的の1つに、「屋根の雪を何とかしたい」という事がありました。

通常、三角屋根の雪を何とかしたいと言えば、「除雪が大変なので、雪を落としたくない」という話が多いのですが、今回は「雪を積極的に落としたい」というお話でした。

と言うのは、屋根の勾配が3/10で、三角屋根としては、勾配が緩めで、新築当時は、順調に雪が落ちたものの、年月が経つにつれ、板金の滑りが悪くなり、落ちづらくなったとの事でした。

ずっと落ちなければ、良いのかも知れませんが、解けた雪が軒先で凍り、ある日突然、氷の塊となって一気に流れ落ち、下にある車庫を壊す事が度々あったそうです。

ですから今回は、「一気に落ちるのではなく、その都度サラサラと落ちるようにしたい」という、ご要望でした。

 

話は少し逸れますが、ここで、一般的にご要望の多い、「雪を落としたくない」場合どうするかを、少し話したいと思います。

単純に、雪止め金具を取付けるのが、工事費が安く、手っ取り早い方法なのですが、金具自体のサビの問題やステンレス製の金具を使ったにしても、屋根板金に掛かる負担を考えれば、あまりお勧めできません。

雪留め金具

<雪留め金具>

現に、「雪止め金具もろとも落雪した」なんて話も聞きますし、その時は、屋根板金も破損している事が多くあります。

この金具に対し最近は、板金自体を突起がある形状に加工し、雪止めにしたものがあります。

この方法も、出始めの頃は、トラブルがあったようですが、最近は、形状や施工方法を工夫するなどして、以前のようなトラブルは解消されています。

それでも、無落雪三角屋根の特徴を、しっかりと理解しておかないと、後々トラブルになりかねません。

その特徴は、別の機会にお話するとして、構造的な話を少ししたいと思います。

元々、三角屋根の建物は、屋根に雪が積もらない事を前提に設計されているので、屋根を支える梁等の構造材の強度(寸法)も、「それなり」という事になります。

そこに、いきなり無落雪屋根を乗せるというのは、かなり無理があります。

屋根形状を落雪屋根から無落雪に変えるときには、それを支える構造も、しっかりと検討する必要があり、ほとんどの場合、補強が必要になるはずです。

その補強も、屋根を直接支える部分だけとは限らず、広範囲になる事も多々あり、費用も掛かります。

しかし実際には補強もせずに、単純に屋根だけを乗せかえる工事が、多く行われているのも現実です。

 

そして、今回も打合せの中でも、「無落雪屋根」も検討してみましたが、やはり大規模な構造補強が必要でしたし、お客様は、「屋根から雪が落ちる事自体には、そんなに気にならない」との事でしたので、屋根形状は変えず、板金の葺き替えを選択しました。

ただし、軒先で凍る件や雪の滑りを考慮し、屋根の断熱と小屋裏換気の強化、そして雪の滑りを良くするための素材を選択して、以前の状態を改善できるようにしています。

 

さて、これから色々な部分を解体して、表からでは見えない部分が見えてきます。

リフォームは、見える部分を新しくして、イメージチェンジする事、使い勝手を良くする事、そして、普段見えない部分のメンテナンスが大きな目的です。

見えない部分に関しては「想定外」の事もあるかも知れませんが、その事も含め、柔軟に対応したいと思います。

 

 

 


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