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ずっと住みたくなる家 6

《 家の使い勝手を考える 5回目 》

今回は、「トイレについて」です。

 

まず、トイレの広さは一般的に、畳1枚分(1畳)である事が多く、これが丁度良い広さです。
また、特別な理由がある場合は広くしたりもしますが、この「特別な理由」に関しては、別の機会にお話します。

次に、「便器について」ですが、最近はエコが定着し、1回に流す水の量が少ない節水型が人気です。
価格は、最も安いタイプの便器と比較すると、数倍高い物もあり驚かれますが、流す水の量が少ない分、「水道料金で元が取れる計算」になります。「水道料金が、そんなに違うのか」と疑問に思うかも知れませんが、20年位前の便器と比較すると、1回の洗浄に必要な水の量が、最大で10L近く節約でき、「家族の人数 × 使用回数 × 約10L 」が1日の節水量となります。
そして、1年で考えれば ×365日 となり、それが何十年も続くと考えれば、納得できるのではないでしょうか。
それでも今まで、水を入れたペットボトルを何本もタンクに入れ、節水してきた方々にしてみれば、「わざわざ高いお金を出して節水型にしなくても、ペットボトルで十分!」というご意見もあると思います。

では、ペットボトル型節水と最新型便器の違いは、価格以外では何があるのでしょうか。

最新型便器は、節水・節電でありながら高機能。
しかし決定的に違うのが、洗浄能力です。昔の便器は、もともと10L以上の水を使って洗浄する設計なので、ペットボトルを入れて、その量を減らす事は同時に、洗浄能力も落ち、「詰まり」などトラブルの原因になる事もあります。これに対し節水型便器は、もともと少ない水量で洗浄できる設計なので、「詰まり」の問題は、ほとんどありません。
ただし、便器から先の配管では、洗浄水量が少ないと不利になるので、設計段階で配管経路や距離を考慮しておく事が必要です。また、リフォームで便器だけを交換するときには、特に注意が必要です。

そしてもう1つ、問い合わせが多いのが、タンクレスの便器です。
これは、価格が高いタイプの便器ですが、先程書いたように、「水道料金で元が取れる」と考えれば、ただ高いだけではありません。タンクレスの便器は、今まで背面にあったタンクがコンパクトに便器の下部に収まり、スッキリしたデザインの便器で、これは節水型で大きなタンクが必要なくなったお陰です。イメージとしては、背もたれの無い椅子のような感じで、背面にタンクが無い事から、その面に収納を付けるなど有効利用することが出来ます。
しかしその反面、背面のタンクが無いということは、今までそこに付いていた手洗いも無くなるので、新たに手洗い器を付ける必要があり、その費用とスペースは別に考える必要があります。

また、トイレの数も1ヶ所でいいのか、各階にそれぞれ必要なのか、さらにトイレの位置など、とりあえずあれば良いと軽く考えず、色々なことを想定して考えてみてください。

スペースとしては小さなトイレですが、その存在は大きく、住み心地を大きく左右します。

 

 

次回は、「玄関と階段について」です。

 

 

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